【コラム】病院嫌いを克服!通院ストレスを減らす方法2023/12/27
このコラムでは
ペットを飼っていると避けては通れない通院。スムーズに通院できないことでわんちゃんやねこちゃん自身だけではなく飼い主さんにもストレスになっていることが多いようです。
病院が嫌いになる理由の説明と、お互い気持ちよく病院に通える方法についてご紹介します。
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目次
病院嫌いになる原因
「うちの犬、病院が嫌いで逃げようとする」「猫を病院に連れて行きたいけどキャリーに入れられない」といったお話を飼い主さんから聞くことがあります。一方で少数派かもしれませんが「うちの子は病院が大好き」という方もいらっしゃいます。この違いは何故だと思いますか?勿論本来の性格も影響しますが、実は後天的な要素、つまり学習によることが多いです。
我々もそうですが、ある場所を苦手だと感じる場合には、得体が知れないから不安、または前にそこで嫌なことがあった、そこに好きではないものがある等が原因だと思います。これはわんちゃん・ねこちゃんも同じです。つまり慣れない場所なら不安があり、行ったことがあれば過去嫌な体験をした、苦手なものが存在するといった理由で病院が嫌になっているということでしょう。
大体病院内で実施する医療行為は注射や保定など動物に不快な思いをさせてしまうものが多いので嫌になるのは当然と言えば当然です。
病院嫌いにしないポイント
では病院に喜んでいく子、嫌がらずに行く子は何が違うのかというと、病院で良いことがあったというポジティブな感情で学習したところです。『良いこと』はその子によって違います。美味しいおやつだったり、スタッフが構ってくれることだったり、飼い主さんに褒めてもらえることだったりします。嫌なことと良いことを天秤にかけたときに最終的に快情動で終わると病院が嫌な怖いところではなく良いところ、行くのに苦ではないところになるのです。
つまり病院に行った時には嫌なことばかり経験させない、良いことも経験させてあげることが病院嫌いにしないポイントです。
子犬や子猫のうちはワクチンなど予防での通院が主と思いますが、病院では不安感や注射の痛みを上書きする良いことを多く与えてあげましょう。
- 散歩中に寄っておやつを食べるだけで帰る
- 体重を計るだけなど医療行為が無い通院を増やす
- 診察台でおやつをあげる、たくさん撫でてかわいがる
※おやつはいわゆるおやつじゃなくてもご褒美になるものなら何でも大丈夫です。
すでに病院嫌いな場合
既に病院が大っ嫌い!になっている子の場合は嫌なこと以上にたくさん病院で楽しいこと、いいことを経験させること
例えば
- 散歩中に寄っておやつを食べるだけで帰る
- 体重を計るだけなど医療行為が無い通院を増やす
または、嫌なことのレベルをなるべく下げてあげること
例えば
- 治療や処置を同日に詰め込まない
- 他の動物が嫌なら予約診療で他の動物に合わないように調整する
- 痛い処置のときに他の部位を触って気をそらす
- 家のニオイがする布にくるまって診療を受ける(ねこちゃんオススメ!)
- 道具を上手く利用する(エリザベスカラーや口輪、ネット等)
- サプリメントやフェロモン製剤を利用する
- 院内で特別なおやつをあげる
などがポイントです。
さらに大前提として、わんちゃん・ねこちゃんに思いやりのある病院を選ぶことも大切です。例えば当院ではカルテに病気のことだけでなく、その子の苦手なことや好きなもの、診察時の様子についても記録しスタッフ全員が周知出来るようにしています。
そもそも病院に連れて行けない場合
ねこちゃんなど、そもそもキャリーに入れるのが大変で連れて行けないという場合は楽しいことや美味しいものを使って徐々にキャリーに対する嫌悪感をなくすところから始めます。これは拮抗条件付け脱感作法という方法です。
- キャリーを常時部屋に出しておく
- キャリーに好きなおもちゃやおやつを入れて自発的に入るように誘導する
- 少しずつ入った状態で蓋を閉める、持ち上げるなど負荷をかけていく
通院後再度嫌いにならないように嫌なイメージで終えず、帰宅後も実施し繰り返すことが重要です。
かなり不安感が強い場合は不安を和らげる薬を事前に飲ませることで動物のストレスを減らしてあげることも可能です。PVC(pre visit pharmaceutical)と呼ばれており、最近海外ではかなり一般化してきています。飛行機に乗るのが苦手だけど乗らなきゃいけない時に使うような薬で短時間不安を減らします。サプリメントや首輪、スプレータイプのフェロモン製剤等もあります。不安を軽減した状態で診療を受けることで前述した嫌なことのレベルが下がるので、その後の通院にもメリットがあります。
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まとめ
通院は健やかに過ごすためには避けて通れませんが、仕方ないで済まさずに気持ちを理解し恐怖心を少しでも和らげてお互い気持ちよく病院に行けるようにしてあげることが重要です。
また通院がどうしても難しい場合は往診を利用することも方法です
悩まれている場合はどうぞ一度当院にご相談下さい!