Blog

ブログ

【コラム】通院ストレスの軽減が期待できるアイテム2024/06/10

このコラムでは

 わんちゃん・ねこちゃんの病院での恐怖を和らげる効果が期待できるサプリメントや薬物についてご説明します。→原因や対策についてはこちら

目次

  1. サプリメント
  2. フェロモン製剤
  3. 薬物
  4. その他
  5. まとめ

サプリメント

 不安感を和らげることが期待できる成分が入った様々なサプリメントがあります。アレルギーがない成分であれば気軽に試せるのがメリットです。
 わんちゃん・ねこちゃんに最近よく使われているのは母乳から抽出したα-カソゼピンというペプチドが主成分のものです。赤ちゃんが母乳を飲むと落ち着くことやよく寝ることから研究されたこの成分は論文でも不安効果が報告されています。
 他にはアミノ酸の一種であるGABA(γ-アミノ酪酸)やL-テアニン、トリプトファンが配合されたサプリメントもあります。GABAは脳内で抑制性の神経伝達物質として働いています。L-テアニンは緑茶の成分です。お茶を飲むとリラックスできる人も多いと思いますが、この成分は人で摂取後のリラックス効果や睡眠改善の効果が報告されています。トリプトファンはセロトニンという脳内で感情の調整をしている神経伝達物質の材料となる物質です。
 大体の子は通院時のキャリーや移動経路に対しても学習していることが多いので来院前ご自宅でまだ通院を察知せずリラックスしている時に飲ませます。
 これらのサプリメントは動物病院で取り扱っているのでご興味があれば是非ご相談下さい。
 

フェロモン製剤

 わんちゃん・ねこちゃんには我々人間とは違い鋤鼻器という器官でフェロモンを感じることが出来ます。フェロモンとは同種間でのみ授受され情報を伝達する物質です。フェロモンは生殖に関するものや仲間に危険や道を知らせるものなど様々な種類がありますが、その中に恐怖反応を緩和する安寧フェロモンというものがあります。この成分を使った製品がわんちゃん用ねこちゃん用それぞれあります。ねこちゃん用は自分の生活範囲内で慣れた対象に頬をこすりつける時のフェロモンを合成したもので、わんちゃん用は授乳中の母犬のおっぱい周囲から出ているフェロモンを合成したものです。
 スプレータイプ、コンセントに挿す拡散タイプ、わんちゃんでは首輪タイプもあります。飲ませる必要が無いので飲ませるのが大変な子や食事制限がある子にも使いやすいです。
 当院では患者さんの恐怖心を少しでも和らげる為に診察室にこのフェロモン剤を使用しています。
 

薬物療法

 かなり不安感が強い場合は不安を和らげる薬を事前に飲ませることで動物のストレスを減らしてあげることも可能です。PVC(pre visit pharmaceutical)と呼ばれており、海外ではかなり一般化してきています。例えば飛行機に乗るのが苦手な人がどうしても乗らなきゃいけない時に使うような薬で短時間不安を減らします。鎮静させるものではないのですが、我々がお酒を飲んだ時の反応が様々なように、その子によって適量に差があるので急に使わず事前に試すなど調整が重要です。薬を使ってあげることでこれまで検査が出来なかったけど出来るようになったねこちゃんもいます。また、動物自身も薬で不安が和らいだ状態で通院できるので病院に対する嫌悪感が次第に減少する可能性もあります。
 

その他

 わんちゃんもねこちゃんも嗅覚の優れている動物なので、愛用している毛布や自宅の匂いのするタオル、おもちゃを通院時キャリー内に一緒に入れておくことも不安を和らげる効果があります。診察時にそれを台に敷くとか、ねこちゃんなら目隠ししてあげることも有用です。入院時も普段の匂いがするものがあると安心につながります。状況によって使用できない場合もありますが、是非通院時はおうちの匂いのするものや愛用品を一緒に持っていってあげるといいでしょう。
 

まとめ

 これらは通院に対する恐怖を和らげるトレーニング(行動療法)と組み合わせることで特に効果が期待できます。怖くなかった経験を重ねてあげることで自信と安心につながります。
 悩まれている場合はどうぞ一度当院にご相談下さい!

WEB
診療予約
電話を
かける
診療
時間表

tel. 045-530-0296

診療時間
09:00~12:00
15:00~18:00
休診日:祝日