【コラム】自宅でできる!尿検査のための採尿方法2024/01/14
このコラムでは
尿検査を受ける為に採尿する方法は大きく分けて2つあります。1つは病院で採尿する方法。この場合、膀胱をお腹から圧迫して排尿させる圧迫排尿や、カテーテルを入れてのカテーテル採尿、注射針を経皮的に穿刺し膀胱から直接採尿する膀胱穿刺などがあります。
もう1つの方法が、ご自宅でご家族の方に採尿してもらう方法です。ヒトの尿検査ではこちらが一般的ですが、わんちゃん・ねこちゃんの採尿はどうしたらよいのか分からない方が多いと思います。
このコラムでは、ご自宅で採尿するメリットや、具体的な方法について触れていきたいと思います。
目次
自宅採尿のメリット
尿検査は、体に針を刺して採血をする血液検査や、保定によって横になる必要がある超音波検査やレントゲン検査と比べると、比較的わんちゃん・ねこちゃんの体への負担が少なく受けることが出来る検査の1つです。しかし、尿検体を採取する方法によっては採血と同様に体に針を刺す必要があったり、カテーテルを尿道へ挿入する必要があります。一方、ヒトと同様に自宅で採尿することで、体にかかる負担を軽減することが出来ます。わんちゃん・ねこちゃんを病院へ連れて行くことなく、検査を受けることも可能なので、ストレスがかかりにくい検査です。
自宅での採尿方法
1.排尿しているところを直接採尿
ヒトでも一番一般的な方法ですが、排尿しているところを容器やスポンジで直接キャッチする方法です。キャッチするための容器は未使用の清潔なものであればプラスチックコップや紙のお皿などでも大丈夫です。取れた尿を安全に運べる容器に移して病院へ持ってきてください。
病院では採尿のためのスポンジキットをお渡ししていますので、必要な場合は病院へご相談ください。
2.ペットシーツを裏返して溜まった尿を採尿
排尿しているところを後ろから採尿のためにご家族が構えていると、おしっこしにくかったり、途中でやめてしまうこともいると思われます。ペットシーツにおしっこをする習慣があるわんちゃん・ねこちゃんは、ペットシーツを裏側にすることによって、裏のビニール部分に溜まった尿を採取することで採尿することが出来ます。ペットシーツの吸収面は、非常に吸収効率の高い素材が使われている場合が多く、吸収された尿はなかなか搾り取ることが出来ないため、裏面にすることで吸収されることなく、採尿することが出来ます。
3.システムトイレの利用【ねこちゃん限定】
システムトイレとは、昔ながらの、尿をすると砂が固まるトイレではなく、砂は固まらずに尿が砂をすり抜けてトイレの底を抜けてその下のペットシーツや吸収体に吸収させるタイプのトイレです。
ニャンとも清潔トイレ(花王株式会社)
デオトイレ(ユニ・チャーム株式会社)
上記のようなシステムトイレは、尿をするとトイレの底に尿が落ちて、砂に吸収されないため、底のシーツや吸収体を外せば底に溜まった尿を簡単に採取することができます。システムトイレによっては健康管理のための採尿キットが付属しているものもあるようです。
システムトイレを利用するねこちゃん限定の方法ですが、システムトイレを使用しているご家庭では、この方法で採尿することが出来ます。
4.コットンに尿を吸収させる
今までの方法で難しい場合は、コットンに尿を吸収させて持参していただく方法があります。ティッシュは吸収効率が悪く、吸収した尿を十分量、搾り取ることが出来ない場合があります。コットンはお化粧などに使用するコットンでも、薬局で販売さている乾綿でも構いません。
コットンの使い方は、わんちゃんの場合は排尿する場所にコットンをいくつか置いておいて、そこに排尿して尿がかかったコットンをそのまま病院へ持参してください。ねこちゃんの場合は、トイレの中にコットンをいくつか置いておき、排尿したときにコットンの尿が吸収されたらそのまま病院へ持参してください。わんちゃん・ねこちゃんともに、オムツやマナーベルトを使用する子は、オムツやマナーベルトの吸収部分にコットンを入れておくことで吸収体に吸収される前に尿をコットンに吸収させることが出来ます。
それでも自宅で上手に採尿出来ない場合は
病院で採尿することが出来ます。病院で採尿する場合は、
- 自然排尿をキャッチ
- 圧迫排尿
- カテーテル採尿
- 膀胱穿刺
上記のような方法があります。それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、自宅で採尿が難しい場合は病院で相談するようにしてください。
採尿方法のまとめ
ご紹介したように、ご自宅での採尿方法にも様々な方法があります。今まで上手に採尿出来なかった方も、試してみたことがない方法がありましたら是非試してみてください。
尿検査の目的、例えば、尿中の細菌感染を検査するための培養検査を行う場合は、可能な限り尿をキレイな状態で採取する必要があります。このように、検査の目的によって、採尿方法が限定されたり、特定の方法で無ければ検査できない場合があります。
それでも尿検査は体に負担をかけずに、手軽に受けることが出来る検査の1つです。今回ご紹介させて頂いた方法で尿を採取して一度病院へお持ち頂いてみてはいかがでしょうか。